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親子関係で亡くなったあとの悲しみの感じ方にも違いがある

散文
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親孝行したいときに親はなし

こんなことわざがあり、

親孝行は親が生きているうちにするものだ

と、これは生前の母の口癖である。

ことあるごとに聞かされていた。

そして、〇〇に行きたいから今度の休みの日に連れて行けと

言わんばかりに休日の予定を聞いてきた。

それは我が家の車で出かけたいため。

出掛けることは嫌ではないのだが、

母の悪いところが毎回でてきてうんざりしていた。

元夫は『疲れたな』が口癖で、無意識に出る言葉

私の両親を乗せているからというのではなく、

長時間の運転のときは毎回言葉にしていたこと。

確かに運転していると疲れるのは当たり前なので、

特になんとも思っていなかったのだが、

母からしたら、それは大変不愉快なことらしく、

翌日に会うと必ず言われた言葉が

もう二度と一緒に出掛けない』だった。

二度と一緒にでかけないと言ってくれると、

私としても、変な気を遣わなくて済むのでありがたい

そのため、

そうだね、そのほうがいいよ。不愉快になるくらいなら行かない方がいい

そう毎回返答していた。

しかし、ほとぼりもさめないうちに、また言い出す。

『〇〇というところに行きたいと思って。いつ休み?』

と聞いてくる。

だから『不愉快になるから一緒に行きたくないと言ってたじゃない。』と返すと、

そんなことは言っていない』と言う。そして次の休みは予定があるのかと聞いてくる。

私はいつも困ってしまう。

絶対にまた翌日に不愉快だと文句言ってくるのに、

行きたいところが見つかるとそんなことはなかったかのように、

予定を決めさせてくる。

仕方なく、連れて行くことになる。

これは母が脳梗塞で倒れるまで何年も続いたことである。

親孝行は親が生きているうちにしておくものだ

毎回、この言葉を聞かされて、あちこちと連れていかされていたが、

仕方なくではあっても、毎回母の文句を聞かされていても、

今になってみると、それでも連れて行って良かったと思っている

どんなにムカついていても実の親に間違いはない。

あのときに、文句を言われたからと、連れて行かなかったならば、

死んでから後悔していた、、、、、

かも、、、しれない。

母は、その言葉のあとにこうも言っていた。

お母さんは親が生きているうちにたくさんの親孝行をしてきた。

だから親が死んでも一度も後悔はしたことがないし、

悲しいと思ったこともない。』と。

親孝行の催促は必ずこの言葉とセットで言っていた。

母のわがままに付き合わされて、あちこと車で出かけてきて、

親孝行は親が生きているうちにするものだ』と言われてしてきたことで、

母が亡くなってから一度も泣いたこともないし、悲しいと思ったこともない。

確かに母の言っていた通りだと思う。

しかし、それは母との関係性のせいだろうとも思っている。

なぜなら、父が亡くなってからは、全く違う

母を連れて出掛けていたとき、勿論父も一緒であった。

父が亡くなったときは、これ以上ないくらいの悲しみで泣きはらしていたし、

今でも会いたいと思うことさえある。

親孝行は母にだけでなく、父にもしてきていたのに。

親孝行をしてきたから泣かないとか悲しいと思わないというのは、

少し違うのかなと。

親孝行はたくさんしてきたと思っている。

それでも、父が亡くなったことは悲しいし、

今でも会いたいと思ったりする。

これは親子関係のことなのだと。

母とはあまり相性も良くなかったし、

出来ることならあまり会わずに済むことなら会いたくないとも思っていた。

しかし、死んでから後悔だけはしたくないという気持ちの方が大きいから、

母の言うことは聞いてきてあげた。

だから、亡くなったあとも悲しいと思わないし後悔もないのかもしれない。

母が死ぬとき、死に目に会えなくてもいいと思っていたが、

私が行くと、数分で息を引き取った。

母の死に際

弟が母に声をかけ、弟の嫁が『お母さん大好きよ』と声を掛けたあとに、

私は仕方なく『お母さん大好きだったよ』と声を掛けた、

その後すぐ息絶えた。

母は息を引き取りそうになっても吹き返したと弟の嫁に聞かされた。

弟の嫁には『お姉さんがくるのをずっと待っていたのよ』と。

本当に、私が到着するのを待っていたかのように亡くなった。

父が亡くなったときは、夜中にひとりで逝った。

父には『また明日来るから一人で逝ってはダメだよ』と

声をかけたのに、ひとりで逝ってしまった。

母と父の性格があらわれていると娘に言われた。

「おばあちゃんは『私を見て』という自分中心のひとだから、

お母さんが来るのを待って、みんなに見守られていったけど、

おじいちゃんはいつもみんなのことを思っているひとだから、

そーっとひとりで逝ったんだね」と。

いつもみんなのことを思ってくれている父が大好きだ。


投稿者:sora

平日は派遣でフルタイム働き、還暦を迎えても若い頃と変わらずに、興味のあること知りたいことには貪欲に「楽しく生きる」を追求しています。

 

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