子どもはみな成長する。
全く当たり前のことだけど、
時として受け入れがたいことがある。
親として子育てしているときは
そんなこと全く考えたこともない。
当たり前に成長して大人になると理解しているからだ。
母が生前、私に言った。
「この頃〇〇ちゃんはちっとも来ないね。」
(〇〇ちゃんとは私の娘で母にとっては初孫)
「親とだってあまり一緒にいなくなっているから、
おばあちゃんのところにも来なくなるのは当然じゃないの?」と私。
母は少し寂しそうな顔をしていた。
孫が日々成長していることは、
母だって十分に理解しているはずだ。
それでも、会う回数が減ることは寂しさがあったのだろう。
その頃の私は親として現役なのでそんな母の気持ちまで汲み取ることがなかった。
そして時は流れ、
子どもたちもそれぞれに家庭を持った。
息子のところには私にとっての初孫が誕生した。
歩くようになり、言葉を覚え、
たまに会うと「ばあば〜」と走り寄ってくる。
昔、娘が母に「おばあちゃん〜」と走り寄っていった光景が目に浮かんだ。
いつの時代も孫というものは、おばあちゃんが好きなのだ。
この春から孫娘(初孫)は中学生になる。
誕生日には毎年洋服をプレゼントしていた。
例年同様今回も洋服がいいと言って、
一緒に買い物に行った。
私と二人だけでの買い物だ。
小学校に入る直前くらいから二人だけで外出したことはある。
いつも無邪気に楽しくおしゃべりをしていた。
しかし、今回は違った。
当然のことながら、
小さい頃のように「ばあば〜」と言って走り寄っては来ない。
孫からおしゃべりしてくることもなかった。
私もどちらかというと自分からたくさんしゃべるほうではない。
アルコールが入ると陽気におしゃべりできるのだけど。
大人同士であれば、話題にも事欠かないかもしれないが、
小学生となると、何を話せばいいのやら。
学校で何が流行っているの?
先生はどんな感じ?
友だちは?
どんなことを話題にすればいいのか。
我が子であれば、次々と聞いても親として為になるのだろうが、
孫の学校での出来事を聞いたところで何か役に立つ返しができるわけでもない。
小さかった頃のように、孫娘の方からあれこれとおしゃべりしてくれたら、
ばあばとしては、それに反応していけるのに。
中学生になる日が近づいてきて、
心落ち着かない気持ちなのだろうか?
いつまでも小さい頃のように無邪気ではいられない。
昔、母は孫の成長を喜びつつも寂しさを感じたのだろうが、
私の場合は、寂しさよりも虚しさと言ったほうが当てはまる気がした。
夕飯にはママと弟(息子の配偶者と孫息子)と合流した。
孫娘(初孫)は弟を相手に楽しそうにおしゃべりしていた。
なんとなく、
ただ単に、ばあばと二人での買い物が嫌だったのかな?
そんなことはないと分かったけれど、
少しだけそんなことを思ってしまったのだ。
子どもから大人へ成長していっている、、、、だけ、
なのにね。
投稿者:sora
平日は派遣でフルタイム働き、還暦を迎えても若い頃と変わらずに、興味のあること知りたいことには貪欲に「楽しく生きる」を追求しています。